新規参入銀行(日本振興銀行)


新銀行設立構想が、8月20日に発表されました。各紙は、20日夕刊、21日朝刊で発表内容を掲載しています。構想の概要は以下のようなものです。

・資本金20〜30億円 

・ミドルリスクの中小企業融資に特化して、貸出金利は3〜15%程度とする。

・本店を東京駅周辺として、対象地域は首都圏一都六県。支店は持たない。

・平成16年4月に開業して、初年度預金量180億円、貸出平残150億円程度で、最終利益は

  7億円超の赤字。三期目に、預金量530億円、貸出400億円で黒字転換する計画。

・代表取締役は、落合氏(貸金業オレガ社長),他の取締役に元DKB、日債銀の役員達

・非常勤役員として、木村・西崎両氏達が経営指導する

・アドバイザリーボードとして、東京青年会議所の理事達

8月21日の日経朝刊は、新銀行構想に対して、需要があるのか、リスク管理できるのか、預金者が集まるのかなどと懐疑的な解説を加えています。若手経営者達の個人的なグループによる機関銀行化を懸念しているのでしょう。

筆者も、オレガ社の本業である貸金業とどう違うのかと思います。確かに不特定から預金という資金調達機能を免許として入手できますが、どんな預金者層を期待しているのでしょう。既に、参入を果した新銀行を見ても、預金の大半は出資企業の大口預金です。

オレガ社の企業理念を見ると、金融ビジネスにおける改革・維新を推進したいとあります。落合氏の理想をJCの仲間が支援し、木村氏のグループが指南役を務めるという構図です。気持ちはわかるのですが、わざわざ規制の権化である金融庁の支配領域に入るメリットは何でしょう?商工ローンの方が、機動性と利便性に富んだ中小企業融資が可能だと思うのですが。それとも金融庁の懐に入って、内側から革新を進めるというのでしょうか。

新しく銀行を設立したがっている企業やグループは意外と多くあります。どれも、極めて特化したビジネスモデルを考えています。自社の本業を拡大する戦略の一環として、ITを活用しつつ、既存銀行とは一味違うビジネスを目指しています。その際に、銀行業界や監督官庁のことを全く知らないので、都銀や日銀OBがアドバイザーとしてつきます。新しいモノを作るのに、古い知識に頼るという、一種自己矛盾の側面があります。

最近、某金融関連誌に、「普通銀行が混迷を抜け出せない原因として、日銀や日銀出身者がなすべきことをなさない、或いは、阻害しているからだ。」と元大蔵省幹部が意見を述べていました。実際、筆者も某証券出身者や某中央銀行OBが関連するコンサル案件には参画を見合わせます。民間金融機関の実務を知らないにも係わらず、知ったか振りで何かと話を混乱させます。それを、経営トップが昔の肩書きだけで信用するものですから、手におえないことが多いからです。

いずれにせよ、振興銀行に免許が交付されることになれば、来年は新銀行設立ラッシュになるでしょう。業界地図は更に変わることになります。

個人的興味として、新銀行(仮に設立出来たとして)は、どの協会に入るのでしょうか。既存銀行においては、未だ貸金業に対する偏見は強いものがあります。ましてや、木村剛氏に対する反感は相当なものです。各協会の積極的な支援は得られないでしょう。全銀協は、現在は個別行参加ですので入会できるでしょうが、会費に見合うメリットがあるでしょうか?協会という自主規制組織と新銀行が、どのように付合うのかも興味深いことです。